【掲載:2022年1月10日】医療とバイオへの応用に使われたイオン化照射技術

 (株)サーフテックトランスナショナルは、一般社団法人光融合技術協会及びイノベーションヒルズ(株)との共催で、2021年12月3日(金)16:00~17:30に、フラウンホーファーFEPのDr. Ulla Koenigによる“医療とバイオへの応用に使われたイオン化照射技術”に関するオンラインセミナーを開催しました。

 

 フラウンホーファーFEPは、コア技術の一つである電子ビーム、特に低エネルギー電子ビームの医療とバイオへの応用開発を進めています。この技術の出発点は、20年以上前に小麦の種子の殺菌に利用したことであり、90eV程度の照射エネルギーのため胚芽を殺さずに種子表面の殺菌処理を高生産性で行うことができ、農場では土壌を汚染する薬液処理を使わずに済むようになりました。

 

 その後、床材、その他の塗膜の硬化処理や、薬剤包装の殺菌処理、人体用インプラントの殺菌処理などにも応用され、そして、最近では、ワクチン生産における毒性の強い薬液による不活化処理に替わってこの電子ビームによる大量生産用不活化処理技術の開発も進んでおり、極めて生産効率の高い方法として注目されています。さらに、FEPは、他のコア技術であるスパッタやプラズマCVDなどのプラズマ応用成膜技術、OLEDを中心とした有機エレクトロニクスとUV処理なども医療、バイオ分野に応用してきています。この講演では、これらの技術を用いた衛生関連分野における洗浄、消毒、殺菌を中心に、開発の全体状況と最新開発成果を紹介しました。

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開催情報

 

■講演日時:2021年12月3日(金)

      15:30~16:00受付(入室)、16:00~17:10講演、17:10~17:30 質疑応答、議論

 

■講演者 :Dr. Ulla Koenig, Medical & Biotechnological Application, Fraunhofer FEP

 

■講演タイトル:Ionizing Irradiation Technologies used for Medical ad Biotechnological Applications

(医療とバイオへの応用に使われたイオン化照射技術)

 

■講演要旨:

 フラウンホーファー有機エレクトロニクス・電子ビーム・プラズマ技術研究所FEPは、コア技術の一つである電子ビーム、特に低エネルギー電子ビームを、細菌の低減、殺菌、表面特性の特殊な改変に利用しています。その魅力は、熱的なプロセスではないために、我々に、体系的に様々なバイオテクノロジー分野への応用の可能性を与えてくれ、かつ、ワクチン製造のように、バイオテクノロジーを活用しての生産を、抑制や不活化プロセスの調整をしながら、可能にすることを助けてくれることです。FEPのプラズマ技術とのシナジー効果により新しいハイブリッド技術も生み出されています。

 

 衛生市場に新しいアプローチや解を成功裡に導入するには、補完的なプロセスを必要とします。バイオフィルム(菌膜)の特別な抑制や不活化は、その検出同様、現在の優先的研究課題です。このようなアプローチは、例えば病院のような衛生管理を必要とする場所での衛生条件の改善や逆行性感染を防ぐことを可能にします。加えて、UV照射も感染防止法としての役割が増しています。そこで、的確な衛生と殺菌の研究開発にも、低エネルギー電子ビームとUV照射が使われています。

 

 補完的に、衛生面で効果的な表面コーテイングも重要性を増しています。殺菌性表面に対する要求が増しているのは、医療分野だけではなく、日常生活においても、感染源となりやすいタッチパネルやドアハンドル、ショッピングカートのような物体でも同様です。FEPの伝統的なハードコートや金属コートから光触媒活性コーテイングへと広がっています。

 

■お知らせ:光融合技術協会会員企業の方には、技術相談窓口を設け、また過去のセミナーの講演資料を会員コーナーにアップロードしております。これを機に是非とも入会お願いいたします。詳しくは下記URLのホームページをご参照お願いいたします。https://www.i-opt.org/

 

オンラインセミナーへに関するお問い合わせ

オンラインセミナーのついては、以下のお問合せ先までご連絡をお願いします。

 

お問合せ

・代表取締役社長 鈴木 巧一

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